子供の英語教育の必要性が益々大きくなる昨今、”国際バカロレア(IB)”が注目を集めていますが、そのメリットとは一体何なのでしょう?
そもそも”国際バカロレア”が何だかよくわからないという方も多いはず。
「インターナショナルスクールと何が違うの?」
「日本の認定校はどこにあるの?」などなど・・・。
今回は、”国際バカロレア(IB)”について分かりやすく解説し、そのメリットについてご紹介したいと思います。
”国際バカロレア”って何?
国際バカロレアとは、スイスのジュネーブで設立された非営利組織・国際バカロレア機構(IBO)が認定する教育プログラムのことで、英語では”International Baccalaureate(IB)”と呼ばれます。
日本では、「国際バカロレア」とか「IB」と略して呼ばれることが多いです。
IBの教育プログラムは、国際バカロレアが認定した小学校、中学校、高校のみが提供できます。
では、国際バカロレアの教育プログラムって一体どんなものなのでしょう?
日本とは全く違う国際バカロレア3つのプログラム
国際バカロレアの教育プログラムは、日本の公教育のスタイルとは異なります。
国際バカロレアの目的は、
世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせること
とされています。
また、国際バカロレアでは、生徒の年齢(3 歳~19 歳)に応じて一貫した教育プログラムを提供しています。
【国際バカロレア3つのプログラム】
- PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム):3-12才
- MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム):11-16才
- DP(ディプロマ・プログラム):16-19才
国際バカロレア”資格”とは?
”国際バカロレア資格”は、国際バカロレア教育プログラムの1つであるディプロマプログラムを受講して試験に合格することで取得できる資格のことです。
ディプロマプログラムでは、日本の高校2・3年債にあたる2年間の間で、文系・理系を含めた全6科目を選択します。
さらに、選択した6科目に加えて、以下の3つが必修となります。
履修科目に関連した分野から1つ選び、研究・調査をして論文(大学の卒論レベル!)にまとめる。
教科の枠を超えて論理的、批判的思考力、コミュニケーション力を身に付けるための授業。
教室を出て広い社会で経験を積み、いろいろな人と共同作業することにより協調性、思いやり、実践の大切さを学ぶ。
ディプロマプログラムを履修する最後の2年間は、相当ハードで徹夜をして課題をこなすことも少なくないそうです。
国際バカロレア資格を採用している大学
国際バカロレア資格は、世界的にも評価が高く、世界140以上の国と地域、約4000の大学で入試に導入しています。
国際バカロレア資格を入試に採用している海外の大学の一例をご紹介します。
<アメリカ>
- ボストン大学
- ハーバード大学
- ペンシルバニア州立大学(ユニバーシティパーク校)
- ブラウン大学(私立)
<イギリス>
- オックスフォード大学
- ケンブリッジ大学
- キングス・カレッジ・ロンドン
名門校(ハーバード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学など)では、独自に入学合格の基準点を設けています。
国際バカロレアは、海外大学への入学の切符になるだけではなく、入学後に履修すべき科目を履修しなくて済んだり、スコアによっては入学後の単位に振り返られたりといったメリットもあります。
日本の国際バカロレア認定校はどこにあるのか?
日本にある国際バカロレア認定校は、38校(2018年8月現在)。
多くはインターナショナルスクールで、そのうち1条校(高校卒業の資格がもらえる学校)は14校です。
以下、日本の国際バカロレア認定校の一例です↓
・筑波大学附属坂戸高等学校(埼玉県)
・玉川学園中学部・高等部(東京都)
・東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都)
・山梨学院高等学校(山梨県)
・インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(長野県)
・AICJ高等学校(広島県)
ちなみに、日本政府は、2018年までに国際バカロレア認定校を200校までに増やすという目標を掲げています。
これまでは、国際バカロレアのプログラムは、英語・フランス語・スペイン語で行わなければならなかったのですが、2015年から一部の授業で日本語と英語でのディプロマ習得が可能となりました。
これを機に、日本国内の国際バカロレア認定校が増えることが期待されます。
現在、筑波大学、岡山大学などの8大学では、全学部でIB入試を採用。
さらに、慶応大、大阪大でも一部の学部で採用されています。
国際バカロレアのメリットとは?
国際バカロレアを利用する大きなメリットは、やはり海外の大学に入学する切符ともなる”国際バカロレア資格”が得られる点です。
国際バカロレア資格が取れれば、海外の有名大学(ハーバードやケンブリッジなど)への入学も夢ではありません。
また、実社会でも活かせる思考力や人間力を身に付けられる点も、国際バカロレアで学ぶメリットのひとつです。
近年、従来の「知識詰め込み型」の日本の教育は見直されつつあります。
まさに、これからの時代に求められるのは、自分で考えて行動、発信する力。
国際バカロレアには、日本の教育が見習うべき要素がたくさん詰まっていると感じます。