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我が子にも英語を身に付けさせたい!と考えた時、まず思い浮かぶのは英会話スクール、インターナショナルスクールでは?そんな中、最近日本でも広まりをみせている「イマ―ジョン教育」ってご存知ですか?今回は、日本では珍しい英語教育の形「イマ―ジョン教育」について調べてみました!

「イマ―ジョン教育」って何のこと?

「イマ―ジョン(immersion)」とは、「浸す」という意味。

イマ―ジョン教育を簡単に説明すると、国語以外の科目を外国語で学ぶという方法です。

英語にどっぷり浸るように、まさに「英語漬け」といったイメージでしょうか。

元々、イマ―ジョン教育はカナダのケベック州(カナダの中でも特にフランス語が強い地域)で、英語と同様にフランス語を身に付けさせることを目的にスタートしました。

以降、アメリカではスパニッシュ系向けのイマ―ジョン教育が始まったり、世界各地に広まりました。

日本で初めてイマ―ジョン教育を取り入れたのは、静岡県の加藤学園、1992年のことです。

次いで、ぐんま国際アカデミーも2005年に開校し、数はまだごく少数ですが、現在で関東や関西を中心にイマ―ジョン教育を取り入れた学校が広まってきています。

イマ―ジョン教育の授業スタイルとは?

イマ―ジョン教育は、前述したとおり、国語以外の教科を外国語(日本なら英語)で学ぶことを指します。

では、どのような授業が受けられるのでしょうか?

イマ―ジョン教育では、基本的にネイティブスピーカーの外国人が担任となって授業を進行します。

もちろん授業はAll English!

生徒が理解できない場合には、必要に応じてボディランゲージなどを用いて説明します。

学校によっては、ネイティブスピーカーの外国人教師とバイリンガルの日本人教師の2人担任体制をとる所もあります。

また、国語以外はすべて英語ですが、中学受験の接続の関係から、小4以降は、理科や算数など一部日本語の授業に切り替える対策をとっている学校もあります。

このように、イマ―ジョン教育といっても、各学校によって工夫が様々にあります。

「イマ―ジョン教育」と「インターナショナルスクール」の違いとは?

イマ―ジョン教育は、よくインターナショナルスクールと混同されがちですが、両者の違いは次のようなポイントです。

(1)使用する教科書が違う?

インターナショナルスクールは、特定の国(アメリカなど)の教育課程を採用して授業を行います。

一方、イマ―ジョン教育は、日本の文部科学省の教育課程で授業を行います。

そのため、使用する教科書も違ってきて、インターでは外国の教科書、イマ―ジョン教育では日本の検定教科書やドリルを英訳したものを使用します。

(2)1条項に認定されている?

インターナショナルスクールは、上記でお話した様に、外国の教育課程を採用しています。

そのため、大半のスクールが1条校(※)の認定を受けておらず、日本の高校に当たる学年を卒業しても、日本国内の大学に進学するためには、大検(高卒認定試験)を受ける必要があります。

対して、イマ―ジョン教育を取り入れている日本の学校では、日本の教育課程で進められるので、中学を卒業した時点で義務教育を修了したとみなされます。

※学校教育法1条に定められた学校のこと。

イマ―ジョン教育のメリット・デメリットとは?

「国語以外は、すべて英語」と聞くと、とてもハイレベルでかっこいいイメージのイマ―ジョン教育。

しかし、メリットもあればデメリットも・・・

注意しておきたい両ポイントをまとめました↓

【イマ―ジョン教育のメリット】

  • 英語を使う頻度が多い

→国語以外、すべて英語で授業を受けるため、一般的な学校に比べたら当然英語に触れる時間は多い!

  • 英語の発音やアクセントが身に付く

→英語に触れる時間が長い分、英語を聞き分ける力や正しい発音・アクセントを身に付けることができます!

  • 英語での思考力が身に付く

→英語で様々な教科を学ぶことで、英語での思考力が身に付きます。

また、英語圏の文化に対する理解も深まると同時に、母国語(日本語)に対する関心を生み、柔軟な発想ができるように!

【イマ―ジョン教育のデメリット】

  • 教育費が高い!

→担任となるネイティブスピーカーは、ただ英語が話せるだけではなく、各教科を教えるための知識や教育法を心得ている必要が・・・

そのような優秀な人材を確保・維持するためや、特別な教材を使用するために、多額の教育費がかかるのはやむをえません(汗)

  • 日本語がおろそかになる?

→イマ―ジョン教育では、本来日本語で受ける授業を英語に置き換えているので、母国語(日本語)が犠牲になっているという懸念があります。

家族とのやり取りでは「日常会話レベル」の日本語に留まり、「教科理解言語」の運用には支障がでる恐れが・・・

家庭できっちりと正しい日本語を教え込む必要があります。

  • 親の英語力が必要

→学校の宿題や課題をサポートするために、親もある程度の英語力が必要です。

イマ―ジョン教育についての個人的な感想

イマ―ジョン教育は、子供を英語にどっぷりつけるという点で、家庭学習だけでは得られない英語力が身に付くと思います。

しかし、ただ英語をやらせたいからというだけで、イマ―ジョン教育を選択するのは少々危険かもしれません。

仮に、イマ―ジョン教育を採用している私立の小学校を選んだとして、中学校に進学する時に、英語でしか学習してこなかった教科を日本語で理解することが難しくなります。

小中一貫校もありますが、そうでない場合は注意が必要です。

また、小~高までの一貫校でイマ―ジョン教育を受けた場合も同様で、日本語の試験に対応できる日本語力や思考力が身についていなければ、日本国内の大学に進学する場合に不利になる可能性もあります。

身に付けた英語力で海外の大学に進学したとしても、多額の学費がかかることは想定しておく必要があるでしょう。

いずれにせよ、イマ―ジョン教育を検討する場合には、先々の進路をイメージして、”長期的な計画”を立てることが大切だと感じます!