2020年度から小学5・6年生で英語の「教科化」がスタートすると共に、小学校3・4年生でも「外国語活動」が始まります。そこで、今年度から全国の小学校で使用されている教科書『Let’s Try!』(文部科学省作成)についてご紹介したいと思います!
2020年度から小3・4で「外国語活動」がスタート!
2011年度から、小学5・6年生で必修化されている英語の「外国語活動」。
2020年度からは、小学5・6年生で「外国語化」(英語の教科化)がスタートすると同時に、小学3・4年生に「外国語活動」が前倒しされます。
2018~2019年度(2年間)の移行期間は、年間15コマをプラス、2020年度からは年間35コマになります。
この「外国語活動」は、ゲームや歌を中心に英語を楽しむということに重点が置かれ、地域によってはALTの先生を起用して授業が展開されています。
現在、「外国語活動」の取り組み方は各自治体や小学校に任されているという状態で、地域によって内容にばらつきがあるそうです。
しかし、2020年度からの新学習指導要領のスタートを目前に、文部科学省は、小学3・4年の「外国語活動」用の教科書『Let’s Try!』を独自に作成し、全国に配布、2年間の移行期間の間は、この教科書を使用することを求めています。
文部科学省オリジナルの教科書『Let’s Try!』、一体どんなものなのか色々気になったのでAmazonで取り寄せて、実際に目を通してみました!
小学3・4対象『Let’s Try!』で取り扱う英語表現とは?
『Let’s Try!』は(1)と(2)があり、小3で『Let’s Try! (1)』、小4で『Let’s Try!(2)』を使用します。
それぞれ、どのような英語表現が取り扱われるのでしょうか?
小3向け『Let’s Try! (1)』に含まれる英語表現
・How are you?
・How many? (数えてあそぼう)
・I like blue. (好きなものを伝えよう)
・What do you like? (何が好き?)
・What’s this? (これなあに?)
など他、1~20までの数の数え方、動物の名前、形の名前といったボキャブラリーにも触れる。
小4向け『Let’s Try! (2)』に含まれる英語表現
・Let’s play soccer! (好きな遊びを伝えよう)
・I like Mondays. (好きな曜日はなに?)
・What time is it? (いま何時?)
・Do you have a pen?
・What do you want?
など他、食べ物の名前、曜日の言い方、文房具の名前といったボキャブラリーにも触れる。
『Let’s Try!』はどのように進められる?
各ユニットでは、まず音や映像を「聞く」ことからスタートします。
- 「Let’s Listen」:聞いてみよう。(音声を聞いて当てはまるもの選んだりする。)
- 「Let’s Watch and Think」:映像をみて考えてみよう。(映像や教科書のイラストを見ながら考える。)
そして、ゲーム/チャンツ/歌を通して「話す」アクティビティに取り組みます。
- 「Let’s Play」:ゲームをしよう。(友達にインタビューしたり、教科書を指さしたりするゲームをする。)
- 「Let’s Chant」:リズムに合わせて言う。(チャンツのリズム(一定のリズムに合わせて)でフレーズを真似して言う。)
- 「Let’s Sing」:英語の歌をうたう。(主にABC song)
小学3・4年生では「聞く」「話す」を中心に進むので、アルファベットは慣れ親しむ程度で、「読み」や「書き」は取り扱われません。
「読み」「書き」のアクティビティは小学5・6年生ではじまります。
『Let’s Try!』を実際に手に取ってみた正直な感想
実際の教科書の中身は、可愛いくてカラフルなイラストがふんだんに使われているので、子供たちに楽しい!という印象を与えられそうな感じです。
また英語のレベルも、小学3・4年生で初めて英語に勉強する子供でも、取り掛かりやすい平易な内容かとも思います。
ただ「外国語活動」用の教材としては、少々、勉強的要素が強いような印象。
小学5・6年生向けの教科書『We Can!』と同時に発表されたということもあって、全体の流れがかなり似通ってしまっているのが原因か?と・・・
「外国語活動」は」英語の取得よりも、英語を楽しむ!ことに重点が置かれています。
それならば、必ずしも教科書通りに展開する必要はなく、歌(マザーグースはおすすめ)をもっと活用したり、身体全体を使って英語の簡単なフレーズを覚えたりするような感覚的なアクティビティを増やした方が、この年齢の子供たちには楽しんでもらえるのでは?というのが個人的な感想。
いずれにせよ、2018~2019年度の2年間の移行期間の間に、全国でさまざまに試行錯誤が繰り返されると思うので、現場での声を十分に加味して、充実した授業が展開されることに期待したいと思います。