近年、日本の英語教育は大きな変革期を迎えています。
特に、よく耳にするのは小学校での英語の〈教科化〉!
そもそも「〈教科化〉って何?」「いつから始まるの?」などよく分からないことも多いです。
そこで、小学校の英語「教科化」について基本的な情報をご紹介します。
2011年度から始まった「外国語活動」とは?
2011年度から実施されている指導要領によって、小学5・6年生では「外国語活動」が〈必修化〉となっています。
コマ数は、年間35単位。(45分の授業が週に1コマ)
目的は、ゲームや歌などを通して英語を楽しむこと!
しかし、「外国語活動」は〈教科〉ではないので、教科書はなく、成績も付けられません。
※文部科学省から『Hi, friends!』という教材が配布されるのみ。
また、取り組み方については各小学校に任せられているので、それぞれ活動の内容も異なるのが現状。
自治体によっては、小学1年生から取り入れているところもあったり、ALT(外国語指導助手)の配置の仕方も違ったりと、バラツキが大きいのです(汗)
では現在「外国語活動」と位置付けられている英語が、〈教科化〉されるとは、具体的にどうゆうことなのでしょうか?
英語の〈教科化〉とは?いつからはじまる?
2020年度から全国の小学5・6年生で英語が〈教科化〉されます。
では、〈教科化〉すると何が変わるのか?大まかに次のようなポイントがあります!
- 「成績」が付けられる!
→5年生から「ABC」といった段階評価が実施される予定。
- 「教科書」が使われる!
→現在、地域によって取り組みが異なっている状況が改善され、全国の小学校で統一性が持てるのでは?何よりも、現場任せにされている先生にとっては、指導の指標となる「教科書」が使えることはありがたいはず。
- コマ数が増える(年間70単位、週2コマ)!
→他の教科とのバランスが不安視されるところ。現在の0コマに比べれば大きな進歩だけど、言語習得には全然足りない!
- 「英語を楽しむ」から「英語ができる」が目標に!
→今までの楽しければいい!という雰囲気から、子供ができるように指導する必要性が!目的がはっきりすることで、先生側も生徒側も授業に意義を見出せる?
英語の授業は、誰が教えるの?
公立の小学校では、基本的に担任の先生が教えます。
しかし、小学校の先生で英語の教員免許を持っているのはわずか5%。
英語の指導に自信がない先生も多いのが現実・・・(汗)
このような英語を専門としていない先生は、指導の講習を受けた「英語教育推進リーダー」から、授業の進め方などを学ぶとか。
ただでさえブラック化している先生というお仕事に、英語の〈教科化〉というのはかなりの負担ですね。
20年までの数年で、指導者の育成が十分に行き届くのか?という不安があるのが、正直なところ・・・
英語の〈教科化〉で子供の英語は育つのか?
英語の〈教科化〉は、世界から遅れた日本の英語教育にとっては大きな一歩。
1週間に2コマを、英語に充てるというのもすごいことです。
しかし!
1週間に45分の授業を2コマ受けたとしても、英語に触れている時間は年間でたったの52.5時間。
ちなみに、子供が1つの言語を理解し始めるには約2000時間のインプット(聞くこと)が必要です。
そう考えると、たとえ英語が〈教科化〉されても学校の授業だけで、子供に実用的なレベルの英語力が付けられるとは到底思えません。
まだまだ義務教育に任せきりにはできない状況ですよね。
やはり日本にいながら英語を習得するためには、子供が小さい頃から家庭で環境を作る必要があります。